光のもとでⅠ
先輩は何も言わずに数を数え始め、十まで数えるとまた一に戻って数を数えてくれた。
それを何度繰り返してくれたのかは覚えていない。
『翠?』
「先輩……最後に一緒に数を数えてください」
『わかった」
静かにふたりの声が重なる。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……」
『一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……』
「夜分遅くにありがとうございました」
『翠っ!?』
「おやすみなさい」
携帯の通話を切ってから、謝罪の言葉を口にした。
「一方的な電話でごめんなさい……」
でも、先輩のおかげで心は穏やかだ。
これなら大丈夫。気持ちを切り替えることができた。
先輩の声は録音をさせてもらった。
それを何度繰り返してくれたのかは覚えていない。
『翠?』
「先輩……最後に一緒に数を数えてください」
『わかった」
静かにふたりの声が重なる。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……」
『一、二、三、四、五、六、七、八、九、十……』
「夜分遅くにありがとうございました」
『翠っ!?』
「おやすみなさい」
携帯の通話を切ってから、謝罪の言葉を口にした。
「一方的な電話でごめんなさい……」
でも、先輩のおかげで心は穏やかだ。
これなら大丈夫。気持ちを切り替えることができた。
先輩の声は録音をさせてもらった。