光のもとでⅠ
「どうして出ていかないの?」
仕方がないから顔だけドアの方へ向けた。
そこにはきっちりと制服に身を包んだ先輩が立っている。
「翠、何してんだよ……」
いつもの低く静かな声ではなく、怒気をはらんだ声。
臨戦態勢――。
この人も説得要員か……。
「何って……具合が悪いから横になっているだけ。ただ、それだけです」
だいぶ息が整ってきているとはいえ、やっぱり普通に話すのはつらい。
「ここでできる処置なんて限られてる。病院へ行け」
「……司先輩も説得要員?」
もう、いつものように穏やかになんて笑えはしなかった。
私、もう限界なのにどうして――。
どうして畳み掛けるように人を入れるのっ!?
「病院へ行ったほうが早く楽になれる」
「……それで?」
仕方がないから顔だけドアの方へ向けた。
そこにはきっちりと制服に身を包んだ先輩が立っている。
「翠、何してんだよ……」
いつもの低く静かな声ではなく、怒気をはらんだ声。
臨戦態勢――。
この人も説得要員か……。
「何って……具合が悪いから横になっているだけ。ただ、それだけです」
だいぶ息が整ってきているとはいえ、やっぱり普通に話すのはつらい。
「ここでできる処置なんて限られてる。病院へ行け」
「……司先輩も説得要員?」
もう、いつものように穏やかになんて笑えはしなかった。
私、もう限界なのにどうして――。
どうして畳み掛けるように人を入れるのっ!?
「病院へ行ったほうが早く楽になれる」
「……それで?」