光のもとでⅠ
 脳波の検査やそのほかの簡易的な検査も試みたが、これといって異常は見られなかったこともあり、一過性と片付けられた。
 それが、去年の七月の話。
 今のは白昼夢や、考え事をしていて周囲の声が聞こえなくなるという程度のもので病気とは言いがたいが――。
「それはストレスが原因ということか?」
 静さんが口を挟んだ。
 しかも、的確に的をついて。
「そうね、一般的には耐え難いストレスを感じたときにこういう症状が現れると言われているわ」
「翠葉の場合は――」
 言いかけて口を噤んだ蒼樹くんは、少し考えてから再度口を開いた。
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