光のもとでⅠ
それを最後まで反対していたのは碧さん。
零樹さんの、「家から近い高校ならば……」という言葉で学校へ通うことを了承したそうだけど、彼女が選んだ高校は県外の高校ばかりだったという。
再び両親が反対する中、蒼樹くんが送り迎えをするという条件付きで、藤宮を受けることを渋々OKした。
それも、合格するかしないか五分五分であったから許可したのだろう、と俺は思っている。が、彼女は見事に藤宮へ合格した。
今年、御園生夫妻が家を留守がちになることに変わりはなく、そこで看護師でもある栞ちゃんが急遽お手伝いさんに抜擢された。
静さんの紹介ということになっているけれど、実のところは紫さんの紹介だった。
そして、案の定、蒼樹くんと栞ちゃんが一手に彼女を引き受けている。
ご両親の意向で蒼樹くんには解離性障害のことは知らされていなかったけれど、当時、彼が唯一あの状況を打破して彼女をこっち側へ戻せる人間だった。
やっぱりあのときに話しておくべきだったのではないだろうか……。
でも、今さら、だな……。
零樹さんの、「家から近い高校ならば……」という言葉で学校へ通うことを了承したそうだけど、彼女が選んだ高校は県外の高校ばかりだったという。
再び両親が反対する中、蒼樹くんが送り迎えをするという条件付きで、藤宮を受けることを渋々OKした。
それも、合格するかしないか五分五分であったから許可したのだろう、と俺は思っている。が、彼女は見事に藤宮へ合格した。
今年、御園生夫妻が家を留守がちになることに変わりはなく、そこで看護師でもある栞ちゃんが急遽お手伝いさんに抜擢された。
静さんの紹介ということになっているけれど、実のところは紫さんの紹介だった。
そして、案の定、蒼樹くんと栞ちゃんが一手に彼女を引き受けている。
ご両親の意向で蒼樹くんには解離性障害のことは知らされていなかったけれど、当時、彼が唯一あの状況を打破して彼女をこっち側へ戻せる人間だった。
やっぱりあのときに話しておくべきだったのではないだろうか……。
でも、今さら、だな……。