光のもとでⅠ
やるせない顔をしている蒼樹くんを見ても、なんと言葉をかけたらいいのかがわからなかった。
「知ってたら……そしたら無理に藤宮を勧めたりはしなかったのに」
「蒼樹、それは違うわ」
姉さんがきっぱりと言い切る。
「人って外に出ないと強くなれないのよ」
確かに……。
「それはひとまず置いておこう」
静さんが話しの腰を折った。
「雅の件でそんなことがあったという報告は誰からも聞いていないんだが?」
静さんは射るような目で姉さんを見た。
「あら、雅に接触したことを訊くまで教えてくれなかったのは誰かしら? それに、医者には守秘義務ってものがあるのよ」
まるで本職を付け足しのように口にする。
「ほぉ……で、今はその守秘義務とやらはお留守なのか?」
やな感じの笑顔の応酬が始まる。と、
「ふたりとも、いい加減にしてくれない?」
司が静かに口を挟んだ。
「知ってたら……そしたら無理に藤宮を勧めたりはしなかったのに」
「蒼樹、それは違うわ」
姉さんがきっぱりと言い切る。
「人って外に出ないと強くなれないのよ」
確かに……。
「それはひとまず置いておこう」
静さんが話しの腰を折った。
「雅の件でそんなことがあったという報告は誰からも聞いていないんだが?」
静さんは射るような目で姉さんを見た。
「あら、雅に接触したことを訊くまで教えてくれなかったのは誰かしら? それに、医者には守秘義務ってものがあるのよ」
まるで本職を付け足しのように口にする。
「ほぉ……で、今はその守秘義務とやらはお留守なのか?」
やな感じの笑顔の応酬が始まる。と、
「ふたりとも、いい加減にしてくれない?」
司が静かに口を挟んだ。