光のもとでⅠ
 なんだか非常に申し訳ない気分だ。
 この場でおまえだけが何も知らないんだよ……。
「静さん、それから若槻と須藤さん。三人に話したのはこれからあの子がホテルに出入りするようになるからよ」
「あぁ、そんなことだろうと思った」
 静さんが口にすると、カウンター内で控えていた須藤さんが、「心得ておきます」と短く答える。
 若槻くんは何も発しないものの、「わかってる」といった顔だ。
 意味がわからない。
 翠葉ちゃんがホテルに出入りするようになるってなんのことだ……?
 この場にはその意味を解しない人間がもうふたり……。
 海斗は「なんのこと?」というように面々の顔を見ていた。そして司は、「何」と単刀直入に尋ねた。
「彼女にはウィステリアホテルへ写真提供をお願いしている。正式に依頼したのはゴールデンウィーク前で、すでに契約済みだ」
 静さんが簡潔に答えると、
「マジでっっっ!?」
 海斗が身を乗り出して静さんに訊いた。
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