光のもとでⅠ
「翠葉ちゃん、こうしよう。俺は自分を責めない。だから、翠葉ちゃんも自分のことを責めないでほしい。それでおあいこにしよう?」
彼女は顔を上げて、「どうして?」という顔をした。
「翠葉ちゃんに自分を責めてもらいたくない。これ以上、翠葉ちゃんに負荷をかけたくない。それでなくとも、君は自分と闘うのに全力投球だろう?」
また、彼女の目から涙が零れ落ちた。
「俺のことは必要以上に気にしなくていいんだ。俺は翠葉ちゃんより九つも年上なんだよ? 一応立派に社会人で大人なんだ。処世術だってそれなりに心得ているしね。だから、大丈夫」
彼女は不思議そうな顔で俺を見ていた。
これは何がなんでも演じとおさなくちゃいけない場所。
「嘘じゃないよ。たとえばこんなふうに距離は取るけど、でも、会いに行くし話しもできる。全然会わなくなるわけじゃない。前みたいにお茶を飲んでケーキを食べて笑って話をしよう?」
「……私、わがまま――」
彼女は顔を上げて、「どうして?」という顔をした。
「翠葉ちゃんに自分を責めてもらいたくない。これ以上、翠葉ちゃんに負荷をかけたくない。それでなくとも、君は自分と闘うのに全力投球だろう?」
また、彼女の目から涙が零れ落ちた。
「俺のことは必要以上に気にしなくていいんだ。俺は翠葉ちゃんより九つも年上なんだよ? 一応立派に社会人で大人なんだ。処世術だってそれなりに心得ているしね。だから、大丈夫」
彼女は不思議そうな顔で俺を見ていた。
これは何がなんでも演じとおさなくちゃいけない場所。
「嘘じゃないよ。たとえばこんなふうに距離は取るけど、でも、会いに行くし話しもできる。全然会わなくなるわけじゃない。前みたいにお茶を飲んでケーキを食べて笑って話をしよう?」
「……私、わがまま――」