光のもとでⅠ
 何よりも、
「湊ちゃん、アルコール弱いじゃん」
「大丈夫! あと十分もすれば静さんが帰って来るから。明日フリーって言ってたから付き合ってもらいなさいよ」
「マジでっ!?」
 因みに、酒とコーヒーを飲むこと涼さんには黙ってるって言質が欲しい。
「はい。デカフェのコーヒー」
 くっ……。
 そりゃそうだよな、さすがに普通のコーヒーは出てくるわけがない。
 物足りないコーヒーを飲んでいるとインターホンが鳴った。
 玄関を開けると、
「よう、傷心の若者」
 静さんがにこりと笑って立っていた。
 今度こそ、「振られておめでとう」を言われるのだろうか……。
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