光のもとでⅠ
「その割に、司は余裕だな?」
 静さんが口にすると、
「私も同じこと訊いたんだけど、余裕があったことなんて一度もないって言ってたわ。ただ、秋斗と同じ。今は翠葉の体調と気持ちを優先させてあげたいみたい」
「はぁ……。俺、司に負けそう。なんだか一歩先を歩まれてる気がしてならないよ……」
「あんたたち、根本が似てるのよ。解答にいたるまでの思考回路や行動は違っても出す結論が一緒っていうか……。いい加減認めたら?」
 認めろ、と言われてもね……。
 相手は九歳も年下なわけで、あまり認めたくはないよね……。
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