光のもとでⅠ
軽くノックをしてから保健室に入ると、
「あら、気が利くじゃない」
姉さんに言われた。
「点滴したまま戻すつもりでしょ」
「大当たり」
「翠、嫌がったんじゃないの?」
「ま、いい顔はしなかった。でも、拒否もしなかったわ。自分の状態は自分が一番よくわかってるんでしょ」
と、何事もなかったようにノートパソコンに視線を落とす。
カーテンの隙間から中に入ると、青白い頬を露にした翠が寝ていた。
血色なんてものは欠片もない。
小さな寝息だけが、翠が生きていることを教えてくれる。
時計を目にすれば終業チャイムの十分前。
「あら、気が利くじゃない」
姉さんに言われた。
「点滴したまま戻すつもりでしょ」
「大当たり」
「翠、嫌がったんじゃないの?」
「ま、いい顔はしなかった。でも、拒否もしなかったわ。自分の状態は自分が一番よくわかってるんでしょ」
と、何事もなかったようにノートパソコンに視線を落とす。
カーテンの隙間から中に入ると、青白い頬を露にした翠が寝ていた。
血色なんてものは欠片もない。
小さな寝息だけが、翠が生きていることを教えてくれる。
時計を目にすれば終業チャイムの十分前。