光のもとでⅠ
さっきよりも時間をかけて階段を下りる翠を見ていると、
「あのね、私、まだテストの結果を知らないのだけど、ふたりは知っていたりするかな」
よほど気にしているのか、表情が少し引きつっていた。
「あ、まだテスト返ってきてないのね? でも、大丈夫よ。上位二十位内にはしっかり入っていたから」
「本当っ!?」
翠は驚いた拍子に立ち止まった。
「総合得点一二四八点、学年で九位」
俺の言葉に、今度は俺の顔を見上げてくる。
目を丸く大きく開いて。
その表情を早くも改め、
「テスト、今日返されるんだろうなぁ……。やだな」
「翠葉……つくづく素で嫌みな子ね。私なんて普通に出席して授業に出ていて十位なんだけど……」
それは簾条の頭の問題であって翠のせいではないと思う。
「あのね、私、まだテストの結果を知らないのだけど、ふたりは知っていたりするかな」
よほど気にしているのか、表情が少し引きつっていた。
「あ、まだテスト返ってきてないのね? でも、大丈夫よ。上位二十位内にはしっかり入っていたから」
「本当っ!?」
翠は驚いた拍子に立ち止まった。
「総合得点一二四八点、学年で九位」
俺の言葉に、今度は俺の顔を見上げてくる。
目を丸く大きく開いて。
その表情を早くも改め、
「テスト、今日返されるんだろうなぁ……。やだな」
「翠葉……つくづく素で嫌みな子ね。私なんて普通に出席して授業に出ていて十位なんだけど……」
それは簾条の頭の問題であって翠のせいではないと思う。