光のもとでⅠ
「足引っ張ってるのは古典や世界史だろ。数学と化学が満点って話は先生から聞いてる」
ほかにも字がぶれていたとか、そんな噂もあったけど、教師しか知りえない情報がどうして生徒間の噂に流れているのか、と疑問に思っていた。
「因みに、うちの学校は期末考査で満点を取ると、その科目だけは夏休みの宿題が免除される」
翠が知らないであろう情報をくれてやる。と、
「先輩、一位の首席であることはお察しいたしますが、もしかして……総合得点は――」
「赤丸よ……」
俺が答える前に簾条が二トーンくらい落とした声で答えた。
「……司先輩が雲の上の人に思える」
俺からしてみたら、翠のほうが雲の上の住人に思える。
何を考えているのかさっぱり掴めない。
そんなことを考えつつ、「それなりに努力はしてるから」と答えた。
「本当に嫌みなやつ……」
簾条の言葉に、そっくりそのまま返したくなる。
ほかにも字がぶれていたとか、そんな噂もあったけど、教師しか知りえない情報がどうして生徒間の噂に流れているのか、と疑問に思っていた。
「因みに、うちの学校は期末考査で満点を取ると、その科目だけは夏休みの宿題が免除される」
翠が知らないであろう情報をくれてやる。と、
「先輩、一位の首席であることはお察しいたしますが、もしかして……総合得点は――」
「赤丸よ……」
俺が答える前に簾条が二トーンくらい落とした声で答えた。
「……司先輩が雲の上の人に思える」
俺からしてみたら、翠のほうが雲の上の住人に思える。
何を考えているのかさっぱり掴めない。
そんなことを考えつつ、「それなりに努力はしてるから」と答えた。
「本当に嫌みなやつ……」
簾条の言葉に、そっくりそのまま返したくなる。