光のもとでⅠ
 あの頃、セリと俺はあまり身長差もなかったし、今ほど身体が出来上がっていたわけでもなく、セリを抱き上げるなんてことはできなかった。
 その点、リィは俺よりも十五センチくらい低いし細い。
 細すぎるくらいで、なんだか物足りない……。
 仕方がないから少しでも重みを持たせようと、部屋に戻ると水分を摂らせる。
 ここまでくると、感覚が少しおかしくなっているのかもしれない。
 この痛みでは死なないと言われても、なんの救いにもならないだろう。
 目の前のリィを見ていると、本当にそう思う。
 迫り来る死を迎え待つ患者と、死にはしないと言われて、いつまで続くのかわからない激痛発作に苦しむ患者――両者は全く立場が違うけど、未知のものに対する不安の大きさはさして変わらない気がした。
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