光のもとでⅠ
「おい、碧が倒れたと聞いた」
 俺の背後に男前が仁王立ち。
「おぉ、来たか」
「来たか、じゃないっ。碧は!?」
「山を下りたところの病院で点滴打ってるぞー。あと一時間ちょっとしたら迎えにいくさ」
「……おまえはこんなところで何してる?」
 何、ねぇ……。
「神頼み?」
「……おい、いい加減まともに話さないと怒るぞ」
 ……っていうか、すでに怒ってるじゃん。
「真面目も真面目、大真面目ですよー。娘のことも碧のことも、神頼み。それ以外に何がある?」
 ゆっくりと下から見上げると、静が俺の隣に座った。
「……悪い」
「いや、何も悪くはないだろう?」
「おまえは相変わらずマイペースだな」
「俺からマイペース取ったら何が残るんだよ」
「…………」
「黙るな黙るな……。思い切り肯定されてる気分になるだろーが」
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