光のもとでⅠ
「……今な、翠葉が入院するのを待ってるところなんだ」
「それは待つところではなく、おまえたちが連れていくところじゃないのかっ!?」
「俺もそう言ったんだけどね、今、無理に入院させたら今後の家族間の関係に悪影響が出かねないって言うんだ。これ以上家族に不調を言わなくなるのは困るからって……」
「湊がそう言ったんだな?」
「あぁ。だから、こぉ……手をこまねいているというのは言い訳かもしれないがな」
ははは、と乾いた笑いでごまかす。
親の役目ってなんだ、と自分を何度も問い質した。
親ができること、親がしなくちゃいけないこと――何度も、何十回何百回何千回と考えた。
けれど、翠葉の身体を前にして、親ができることなんて何もなかった。
それで側にいることが負担になると言われたら、その負担を取り除いてやることしかできなかった。
「それは待つところではなく、おまえたちが連れていくところじゃないのかっ!?」
「俺もそう言ったんだけどね、今、無理に入院させたら今後の家族間の関係に悪影響が出かねないって言うんだ。これ以上家族に不調を言わなくなるのは困るからって……」
「湊がそう言ったんだな?」
「あぁ。だから、こぉ……手をこまねいているというのは言い訳かもしれないがな」
ははは、と乾いた笑いでごまかす。
親の役目ってなんだ、と自分を何度も問い質した。
親ができること、親がしなくちゃいけないこと――何度も、何十回何百回何千回と考えた。
けれど、翠葉の身体を前にして、親ができることなんて何もなかった。
それで側にいることが負担になると言われたら、その負担を取り除いてやることしかできなかった。