光のもとでⅠ
父さんたちが現場に戻った翌日から、楓先輩に渡されて持ち続けているものがあった。
秋斗先輩が何年も前に開発したというペンシル式のマイクロレコーダー。
ペンに内臓されているマイクロメモリに翠葉との会話をすべて録音しては父さんに送っていた。
だから、ついさっきのやり取りも何もかも、父さんには筒抜けになる。
携帯は病院に入ると電源を落とさなくてはいけない。けれど、このレコーダーなら問題はない。
だから、病院でのやり取りもすべてが記録されていた。
加えて、病院へ運び込まれたときの一切は楓先輩や湊さんから逐一連絡を入れてもらっている。
「……母さんは大丈夫?」
『実は、二日前からそっちに戻ってるんだ。今はゲストルームにいる』
「……そう。じゃ、俺迎えに行くわ」
『あぁ、そうしてやってくれ。父さんも今日中にはそっちに戻る』
「お願い……」
通話を切って立ち上がる。
秋斗先輩が何年も前に開発したというペンシル式のマイクロレコーダー。
ペンに内臓されているマイクロメモリに翠葉との会話をすべて録音しては父さんに送っていた。
だから、ついさっきのやり取りも何もかも、父さんには筒抜けになる。
携帯は病院に入ると電源を落とさなくてはいけない。けれど、このレコーダーなら問題はない。
だから、病院でのやり取りもすべてが記録されていた。
加えて、病院へ運び込まれたときの一切は楓先輩や湊さんから逐一連絡を入れてもらっている。
「……母さんは大丈夫?」
『実は、二日前からそっちに戻ってるんだ。今はゲストルームにいる』
「……そう。じゃ、俺迎えに行くわ」
『あぁ、そうしてやってくれ。父さんも今日中にはそっちに戻る』
「お願い……」
通話を切って立ち上がる。