光のもとでⅠ
「マンションにいた際、美波さんにはお世話になりました。本当に感謝しています。でも、うちのことをそんなふうに言われる義理はありません。さきほど母が申しましたように、うちにはうちの事情があります。それを他人のあなたにとやかく言われる筋合いはない」
「世話になったって言う割にはずいぶんな言いようね?」
「恩人ならどんなことにでも口を出してもかまわないのでしょうか……」
 つい、だった。
 自分が口を挟むとは思っていなかった。
 でも、言わずにはいられなかったのだ。
「あなたこそ部外者でしょう?」
 美波という女性が私に向き直った。
「目上の方に失礼かとは存じますが、あなたもまた部外者、ですよね?」
 その人は、「何を言っても無駄ね」とゲストルームを出ていった。
「母さん……」
「……ごめんなさいね」
 おば様は力なく笑った。
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