光のもとでⅠ
「秋斗様、湊様からお電話です」
「湊ちゃん……?」
 久しく連絡など取っていなければ、同じ階の住人だというのに会うこともなかった。
 俺たちがあまり家から出ない、というのが原因かもしれない。
 携帯を手に、
「はい、こんな朝早くにどうしたの?」
『悪いわね。……今日中に翠葉を病院に入れたいの。秋斗に説得お願いできるかしら?』
 説得……?
「それは、入院が必要な状態にも関わらず、彼女がそれを拒んでいるってこと?」
 彼女の発作の回数が増えていることにも、不整脈が度々起きていることも知らないわけじゃない。
 けれど、そこまでひど状態だとは知らなかった。
 血圧自体は八十前後を保っていたし、心拍が上がることがあっても下がることはほとんどなかった。
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