光のもとでⅠ
「話がまともに通じると思わないで。翠葉の現体重は三十七キロ。もしかしたらもう少し下がってるかも。血圧は平均して八十で発作が起きると百を超える。脈拍は九十から百五十くらい」
淡々とバイタルを伝えてくる。
どれひとつとしてまともなものがない。けれど、その中でも脈拍は異常――。
頻脈ってことなのだろうが……。
「……翠って身長百六十弱だよね」
確認するように訊くと、
「そう、百五十八。もう、ギリギリのところまで落ちてるのよ」
「……バカにもほどがある――」
俺は睨むようにドアを見つめ、その前に立った。
「翠……俺だけど」
中からか細い声が聞こえてくる。
でも、その声には抑揚を感じた。
「……入るから」
そう口にし、心してドアに手をかけた。
淡々とバイタルを伝えてくる。
どれひとつとしてまともなものがない。けれど、その中でも脈拍は異常――。
頻脈ってことなのだろうが……。
「……翠って身長百六十弱だよね」
確認するように訊くと、
「そう、百五十八。もう、ギリギリのところまで落ちてるのよ」
「……バカにもほどがある――」
俺は睨むようにドアを見つめ、その前に立った。
「翠……俺だけど」
中からか細い声が聞こえてくる。
でも、その声には抑揚を感じた。
「……入るから」
そう口にし、心してドアに手をかけた。