光のもとでⅠ
「何?」
 翠は緩く首を振り、
「司先輩はどこまでも司先輩だなって思っただけです」
 なんだかな……。
 役得なのか損なのかさっぱりわからない……。
 けど、ドアの向こうで困った顔をしている人間たちよりは翠に近づけた気がした。
 翠は最後の一口を飲むと、
「先輩、疲れた……」
「寝ればいい。痛いことは翠が寝てる間に全部終わらせてもらうように言っておく」
 翠はそのまま俺の胸に落ちた――。

 意識をなくした翠を羽根布団に包んで抱き上げる。
「誰かドア開けて」
 ドアに向かって声をかけると、すぐに御園生さんが開けてくれた。
 そして、あんぐりと口を開ける。
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