光のもとでⅠ
「……別にいいけど。疲れたから俺帰ります」
 吐き出すように口にして立ち上がると、「送るよ」と秋兄も立ち上がった。
 なんとなく拒否権はない気がした。
 もしかしたら、何か話しがあるのかもしれない。
「御園生さん、翠が目を覚ましそうな時間を聞いたら連絡もらえますか?」
「え? あぁ、わかったけど……」
 どうして、って顔……。
 こういう表情は翠とそっくりだ。
「翠とそういう約束してるから」
 もういい……。
 とりあえず、刷毛口でもなんでも。
 これでしばらくは翠の側にいられる。
 目標は――当面は翠の悪口雑言の語彙を増やすことだろうか……?
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