光のもとでⅠ
「先輩、明日も明後日も明々後日も、来てくれなくていいです。インターハイが終わるまで来ないでください」
 そう口にした瞬間、ひどく鋭い視線で睨まれた。
「俺が気になるから無理」
「なんで……」
「……翠」
 吐き出すように名前を呼ばれた直後、
「あんなに罵倒されてガンガンに泣かれて、やっと懐いた小動物をケージに入れたから、はい安心なんて思えるか」
 一息に言われる。
 目は相変わらず冷ややかで、口もとにはわずかに笑みを浮かべていた。
「何か反論に組する文句があるなら聞くけど?」
 冷笑を向けられた私は蛇に睨まれた蛙のようになっていた。
「すみません、ごめんなさい、申し訳ございません……。私が悪かったと思います。でも、病室をケージにたとえるのはちょっと――」
 いえ、ごめんなさい……。
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