光のもとでⅠ
「安心しな。採血よりも痛くない」
 先生は安心させるような笑みを浮かべた。
「ペインビジョンっていう知覚、痛覚定量分析装置だ。小難しい説明をすっとだな……電流知覚闘値を計測して、痛みと同等となる電気刺激を計測する。つまるところ、君がどのくらいの痛みを感じているのかを数値として知ることができるもの」
 ……そんな検査、今まで受けたことない。
 病室のドアを軽くノックする音が聞こえ、「こちらに置いておきます」という声のみがした。
 人が入ってくる気配はなかった。
 部屋の入り口に置かれたであろう機材を先生が取りにいき、私の目に見えるところへ持ってきた。
「まだ、この機械を導入している病院は少ない。今回は紫さんに頼んで緊急で取り寄せてもらったんだ。これで、君がどのくらいつらい思いをしているかがわかる」
 機械を起動させると検査が始まった。
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