光のもとでⅠ
 腕に電極をつけ、電流を流し始める。
 違和感を感じたときにハンドスイッチを押すように言われていたので、やな感じがしたところで押した。
 先生はパソコンのモニターを見たまま何も言わない。
「……先生?」
「あぁ、悪い……。少しびっくりしたんだ」
 言うと、データをプリントアウトした。
 検査自体はさほど痛いと感じるものではなかった。
「あの、検査結果は……?」
「数値で言うなら一六一五だ」
 初めての検査で数値だけを言われても理解ができない。
「リウマチの患者が平均して四〇〇。健康な人間なら数値は出ない。つまり、君は相当な痛みに耐えているわけだ」
 こちらを見て、目の奥まで見透かすような鋭い視線で見られる。
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