光のもとでⅠ
 怒っているの……?
 怒られる理由はわからない。でも、そういう感情を持った視線だと思った。
「こんな痛みをどうしてひとりで耐えようとする?」
 なんだ、そんなこと……。
「……だって、誰かに代わってもらえるものではないし、誰に言っても理解してもらえるものでもなかった。どれだけ痛いと訴えたところで炎症値が出なければ処置すらしてくれない病院だってある。今じゃ薬すら効かなくなってきていて――そんな状況で誰に何を言えって言うのっ!? 誰かに言ったら楽にしてくれたっ!?」
 だめだ、涙が止まらない。
 沸々と湧き出す感情にも歯止めがかけられない。
 最近、こういう話をすると冷静になれない。どうしても感情的になってしまう。
「悪かった……。確かに、今までがそうだったからもう諦めるしかなかったんだろうな」
 そう言うと、先生はティッシュを差し出し、頭を軽く撫でてくれた。
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