光のもとでⅠ
病名がわかっても治らないのなら意味はない。
病名がわかったらもう少し気持ちが楽になるものだと思っていた。
でも、手の打ちようがないのなら、意味はない。
「翠葉ちゃん、この病気は日本ではまだ学会が立ち上がったばかりだ。けれど、相馬はアメリカに長いこといる。アメリカではもっと前からこの病気の学会が立ち上がっている。だから――」
「だから何? ……先生、少し、ひとりにしてもらえませんか?」
気持ちの折り合いつけるの、時間がかかりそう……。
「この病気には有効な薬だってある。今まで試してない薬がある。だから、希望は捨てるな。色んな病院をたらいまわしにされてきたって聞いてる。でも、君は詐病なんかじゃない。普通の人が感じたら失神してしまうような痛みと闘ってきたんだ。それは今の検査で証明された」
「そんなのっっっ、なんの救いにもならないっ。出てってっっっ」
「一気に色んなことを話しすぎて悪かった。でも、君には知る権利があるし、知ったほうがいいと思ったから話した。自棄にはなるな。俺は部屋の外にいるから、何かあればすぐに呼べ」
先生はそう言うと、検査機器と一緒に部屋を出ていった。
病名がわかったらもう少し気持ちが楽になるものだと思っていた。
でも、手の打ちようがないのなら、意味はない。
「翠葉ちゃん、この病気は日本ではまだ学会が立ち上がったばかりだ。けれど、相馬はアメリカに長いこといる。アメリカではもっと前からこの病気の学会が立ち上がっている。だから――」
「だから何? ……先生、少し、ひとりにしてもらえませんか?」
気持ちの折り合いつけるの、時間がかかりそう……。
「この病気には有効な薬だってある。今まで試してない薬がある。だから、希望は捨てるな。色んな病院をたらいまわしにされてきたって聞いてる。でも、君は詐病なんかじゃない。普通の人が感じたら失神してしまうような痛みと闘ってきたんだ。それは今の検査で証明された」
「そんなのっっっ、なんの救いにもならないっ。出てってっっっ」
「一気に色んなことを話しすぎて悪かった。でも、君には知る権利があるし、知ったほうがいいと思ったから話した。自棄にはなるな。俺は部屋の外にいるから、何かあればすぐに呼べ」
先生はそう言うと、検査機器と一緒に部屋を出ていった。