光のもとでⅠ
 ずっと、この痛みと共存しなくてはいけないのなら、私はもう生きていたくはない。
 こんな自分に、一生家族を付き合わせたくもない。
 これを飲んだら死ねるという薬が目の前にあったなら、私は間違いなくそれを飲み下す――。

 情報が欲しいと思った。
 "線維筋痛症"という病気の詳細が知りたかった。
 誰に訊いたらいいのだろう。
 でも、訊くよりも自分で調べたい。
 どんなことが書かれていようとも、オブラートに包まれたような曖昧な表現ではなく、明確な情報を得たいと思った。
 ここは病院――携帯は外へ行かないと使えない。
 ネットが使える環境が欲しかった。
「誰を頼ったらいいんだろう……」
 真先に司先輩が頭に浮かんだ。
 でも、先輩はインターハイ前だ。
 ほかに――。
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