光のもとでⅠ
 読めば読むほどに合致する自分との身体症状。
 文字を目で追っては呆然とするしかなかった。
 治療方法は確立されていない。
 普通の血液検査やCT、MRIなどの検査では異常が見つからない。
 この病気は医療従事者の三割の人にしか認知されていない。
 この病院にたどり着くまで、何件の病院を回っただろうか。
 そして、何度同じような検査をしてきただろうか。
 病院に行っては診察待ち、検査をするのに予約を取り、その日のうちに検査ができたとしても何時ともわからない順番待ち。
 結果的には異常なしで片付けられ、精神科へと回される。
 子どもである自分ですら、病院へ対して不快感を抱いていた。
 それを思えば、私に付き添ってくれていた両親はどれほどのストレスを抱えていたことだろう……。
 そんなことを思い出していると、低い声が上から降ってきた。
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