光のもとでⅠ
「その治療をこれから毎日続ける」
 治療法は確立されていないと書かれていたけど、何かしら手立てがあるの……?
「先生……相馬先生はどこにいるの?」
「今はまだアメリカだ」
「電話でお話できますか?」
「……できるが、最高に柄が悪いぞ? 腕はいいんだがな」
 この際、柄や性格はどうでもいい。
「話せるのなら、話したいです」
「わかった」
 先生はPHSから発信すると、流暢な英語を話し始めた。
「あ、俺だ。うっせーな。かわいいお姫様がおまえにご用だとよ。――あ? あぁ、たぶん間違いない。ペインビジョンの数値は一六一五。圧痛点もほぼ全箇所ヒットだ。――じゃ、代わるけど、少しくらいは紳士ぶれよ」
 大きな手にPHSを渡された。
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