光のもとでⅠ
「誤解を招くような言い方をしたと思います。でも、本音です……」
 ふたりの視線を感じて再度口を開く。
「治るための治療ならいくらでも……泣いてでも耐えてみせる。でも、対症療法ならがんばる意味が見出せない。現状維持するのになんでそんなにがんばらなくちゃいけないのかわからない」
 紛れもなく本音だった。
「……おい、外行くぞっ。外っ」
「え……?」
 なんで外……!?
 私だけではなく藤原さんも驚いていた。
「病室に篭ってたら考えも暗くなる。ここは南向きだから明るくてそうはなりづらいはずだけど、現におまえはこの部屋に圧迫されてるように見える。だから外っ」
 先生はてきぱきと車椅子の用意を始めた。
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