光のもとでⅠ
 不思議に思いながら、
「紫先生は紫先生で、楓先生は楓先生。湊先生も湊先生ですよ? ちなみに栞さんも栞さん」
「栞は栞なのに、なんで俺だけ神崎先生なんだよ」
 少しむくれて見えるのは気のせいだろうか。
「だって、神崎先生は神崎先生しかいないから、苗字で呼んでも困らないでしょう?」
「じゃ、栞だって神崎さんじゃないか」
「栞さんは自宅で接してもらうことが前提だったし、栞さんから名前で呼んでほしいってお願いされたから……」
 訊かれるままに答えると、
「じゃ、俺も昇先生か昇さんがいい」
 目の前にいる大きな人が駄々っ子にしか見えない……。
「なんでですか?」
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