光のもとでⅠ
「なぁなぁ、あの司をどうやってここまで懐柔したわけ?」
 昇さんがスツールに腰掛け、興味津々といったふうに訊いてくる。
 話を聞くところによると、昇さんには意外と懐いているようだけれど、その昇さんから見ても"ロシアンブルー"や"ペルシャ猫"のように気高く懐きにくい、などと先輩は猫にたとえられていた。
 ロシアンブルーはボイスレスキャットと言われるくらいに鳴かないそう。
 必要以上に喋らない、ということろ司先輩にたとえているのだろうか、と思っていたらそうでもないらしい。
 ロシアンブルーは犬のように忠実な猫として知られているが、その実、忠誠を誓うまで、というか、懐くまでにかなりの時間を要すらしい。
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