光のもとでⅠ
「もしも、これが裁判とかで翠葉ちゃんが加害者だとか被害者だとしたら、"正当防衛"が認められて罪にはならないかもしれない。でも、この問題は違うだろ? むしろ、"正当防衛"っていうのはさ、自分が傷つきたくないだけ。……違うか?」
「正当、防衛……」
「そう。自分のエゴ、ワガママ。人を傷つけたくないって言っていて、本当は自分が傷つきたくないだけ。違うか?」
より一層鋭い目が向けられ、射抜かれるかと思った。
突如こみ上げてきたのは胃の中のもの。
ゴホゴホ、と何度か咽こみタオルで押さえたけれど、胃の中の内容物をすべて戻してしまった。
そのタオルを取り上げられ、
「楓っっっ」
昇さんは遠くに向かって声を発する。
「正当、防衛……」
「そう。自分のエゴ、ワガママ。人を傷つけたくないって言っていて、本当は自分が傷つきたくないだけ。違うか?」
より一層鋭い目が向けられ、射抜かれるかと思った。
突如こみ上げてきたのは胃の中のもの。
ゴホゴホ、と何度か咽こみタオルで押さえたけれど、胃の中の内容物をすべて戻してしまった。
そのタオルを取り上げられ、
「楓っっっ」
昇さんは遠くに向かって声を発する。