光のもとでⅠ
 何か言葉が欲しかったわけじゃないし、慰めてほしかったわけでもない。
 そういうのじゃなくて、ただ――昇さんに言われたことを自分で口にして、改めて口にして、自分に刻み込まなくちゃいけなかったし、しっかりと認めなくちゃいけなかった。
 だから、先輩はそれを聞いてくれるだけでよかった。
 ……聞いてくれたのがこの人でよかった……。
 七時まであと三分。
「司先輩、屋上に連れていってくれますか?」
「……あと少しで七時だけど?」
「……うん、だから」
「わかった……」
 先輩はすぐに車椅子の用意をしてくれ、部屋を出た。
 ナースセンターの前を通るとき、藤原さんに声をかける。
「父が来たら、屋上にいると伝えてもらえますか?」
「それは司くん付きでって言ってもいいのかしら?」
「……えぇと、内緒で」
「わかったわ」
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