光のもとでⅠ
「……司、くん?」
「敬称禁止」
「……ツカサ?」
「よくできました」
「ツカサ……」
「何?」
「……ツカサ」
「だから、何」
「……なんでもないです」
 ただ、どうしてか何度も呼びたくなる。
 どうしてかな……。
 そんなことを言ったら呆れられそうだから秘密……。
 今頃、お父さんはナースステーションで私の居場所を聞いているだろう。
「先輩、ハーブ園のところがいいな」
 希望を口にすると、先輩はそこまで車椅子を押してくれた。
 ここはミントの背丈が高くて、裏側に人がいても見えない。
 私、確信犯だ。
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