光のもとでⅠ
「だって……"もしも"の元気な私がいたら、今の私はここにいないでしょう?」
「……そうだけど」
「……藤宮に通うこともなく、今、周りにいる大好きな友達とも出逢えなかったよ。そう考えるとね、少しだけ、この身体に感謝してもいいかな、って思えるの」
 それが、今の私――。
「あのな?」
 お父さんが握る手に力をこめた。
「つらいとき、どうして元気に産んでくれなかったんだ、って言ってくれていいんだ。翠葉はそれを言いたくなくて、それで父さんたちを遠ざけていただろう?」
 ドクリ、と心臓が脈打つ。
「いいんだ、言っても……」
「……ど、して……」
 どうしてそんなひどいことを言ってもいいなんて言うの?
「言われたほうが楽なこともあるんだよ」
 お父さんは力なく笑った。
 でも――。
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