光のもとでⅠ
素っ気無く答えた司先輩がカウンターから出てくる。
「零樹さんと普通に話せてたな」
「保険屋さんが後ろに待機してくれていたおかげです」
「俺、保険屋を開業した覚えはないけど」
言いながら、「じゃ、帰るから」とエレベーターホールに向かって歩きだした。
「あっ、そこまで送るっ」
慌てて走ろうとしたら、
「御園生さん? 私からもペナルティつけちゃうわよ?」
背後から抑揚のある声がかけられた。
「……ごめんなさい、あの――走らないので……行ってきてもいいですか?」
「走らなければよろしい」
にこりと笑んだ藤原さんに見送られる。
少し急いで先輩の隣に並ぶと、
「別れ際に名前呼んでくれたら許すけど?」
ペナルティの意味がわかった。
「零樹さんと普通に話せてたな」
「保険屋さんが後ろに待機してくれていたおかげです」
「俺、保険屋を開業した覚えはないけど」
言いながら、「じゃ、帰るから」とエレベーターホールに向かって歩きだした。
「あっ、そこまで送るっ」
慌てて走ろうとしたら、
「御園生さん? 私からもペナルティつけちゃうわよ?」
背後から抑揚のある声がかけられた。
「……ごめんなさい、あの――走らないので……行ってきてもいいですか?」
「走らなければよろしい」
にこりと笑んだ藤原さんに見送られる。
少し急いで先輩の隣に並ぶと、
「別れ際に名前呼んでくれたら許すけど?」
ペナルティの意味がわかった。