光のもとでⅠ
 私のご飯は重湯が五分粥になる等の変化をしている。
 おかずとなるものはまだ変化がない。
 スチームをかけてあるものが炒めてあるくらいで、味付けは自分で振りかける岩塩のみ。
 でも、それで十分だった。
 楓先生のご飯はサンドイッチ。
「……それで足りるんですか?」
「軽食って感じかな?」
 私からしてみたら、匂いのきついものを同じ部屋で食べることにならなくて良かった、と思ってしまうけど――あれ……?
「……先生、それをオーダーしたのって藤原さんですよね?」
「そうだけど?」
 楓先生はなんでもないふうに返事をしてくれたけど、
「ごめんなさい……」
「……ばれちゃったか」
 先生は困ったふうに笑った。
< 1,981 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop