光のもとでⅠ
「味気のなさそうなご飯……」
「匂いがまだだめで……」
「そっか、果物は?」
「試してないのでわかりません。でも、アイソトニック系の味や匂いは一切受け付けなくて……」
「ま、清良さんがついているなら大丈夫ね」
 と、湊先生は簡易ベッドに横になった。
 栞さんは楓先生が用意したスツールを私の斜め前あたりに置いて座っている。
「楓、ブラインドくらい上げなさいよねっ?」
 湊先生が立ち上がり、窓際のブラインドをジャッ、と上げた。
 途端、太陽光が部屋に入ってくる。
「何よこの紫外線っ」
 先生は上げたブラインドを一気に下げた。
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