光のもとでⅠ
 気づけばいつもの病棟、いつもの九階へ戻ってきていた。
 ナースセンターの前を通ると、
「おかえりなさい。湊、白衣貸すから神崎医師の助手に入りなさい」
 湊先生は藤原さんに白衣を押し付けられる。
「で、栞ちゃんはこっちに来てもらえる?」
 栞さんがカウンター内へ入っていくと、湊先生は白衣に腕を通し、私を病室まで連れていってくれた。
 病室へ入ると、
「治療始めんぞー」
 昇さんの言葉に湊先生が舌打ちをした。
 そんなことが珍しくじっと見ていると、
「まじまじと見ないっ!」
 と、怒られた。
 病室にはすでにカートが運び込まれていて、患者以外は準備万端。
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