光のもとでⅠ

「今日は少し予定が狂ったからな。風呂は七時くらいだって清良女史が言ってた」
　あ、そっか……。
　今日はお風呂の日だったのだ。
　数少ない日課なのに、急な予定が入るとどうしても抜けてしまう。
　時計を見ると二時ぴったりだった。
「ご家族が来るのは四時頃だ。治療が終わってから一休みはできる」
「ありがとうございます」
　次は家族か……。
　湊先生たちとは意外な対面で、びっくりしているうちに、いつもの流れになっていた。
　緊張とかする暇がなかった感じ。
　でも、今度は緊張する時間がたっぷりとある気がする。
「大丈夫よ」
　消毒の用意をしながら湊先生が口にした。