光のもとでⅠ

14

「起こしましょうか?」
 藤原さんの、声……?
「いえ、きっと疲れているんでしょうから……」
 お母さんの声……。
「俺たちは時間がないわけじゃないんで……」
 蒼兄の声……。
「そうですか?」
「あ……大丈夫。俺、起きるおまじない知ってるし」
 唯兄……?
 おまじないってなんだろう……。
 不思議に思っていると、耳もとで唯兄の小さな声が聞こえた。
「リィ、瞼がヒクヒクしてる。そのまま目ぇ開けちゃいな」
 えっ――。
「ほら、目覚ましたよ!」
 得意げな唯兄がすぐ目の前にいた。
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