光のもとでⅠ
「おはよ」
にっこりと笑われて、反射的に「おはよ」を返す。
「唯、今度そのおまじない知りたい」
蒼兄が真面目な顔をして口にすると、唯兄は「企業秘密」と答えた。
なんだか、私の周りには"企業秘密"を標準装備している人が多い気がする。
そんなことを考えながら、ベッド脇にあるリモコンに手を伸ばした。
体がきちんと起き上がるまでに目を合わせたのは唯兄だけ。
「気分はどう?」
藤原さんに訊かれ、
「大丈夫です」
「それも直しましょう」
「え……?」
「私は大丈夫かが知りたいわけじゃないのよ? 体調や気分がどうかを知りたいの。それは良いか悪いか普通か、そういう返事が模範解答」
「……普通です。でも、少し緊張してるから脈拍は速いかもしれません」
「了解。今度からもそういうふうに答えるように」
藤原さんはそれだけで病室を出ていった。
にっこりと笑われて、反射的に「おはよ」を返す。
「唯、今度そのおまじない知りたい」
蒼兄が真面目な顔をして口にすると、唯兄は「企業秘密」と答えた。
なんだか、私の周りには"企業秘密"を標準装備している人が多い気がする。
そんなことを考えながら、ベッド脇にあるリモコンに手を伸ばした。
体がきちんと起き上がるまでに目を合わせたのは唯兄だけ。
「気分はどう?」
藤原さんに訊かれ、
「大丈夫です」
「それも直しましょう」
「え……?」
「私は大丈夫かが知りたいわけじゃないのよ? 体調や気分がどうかを知りたいの。それは良いか悪いか普通か、そういう返事が模範解答」
「……普通です。でも、少し緊張してるから脈拍は速いかもしれません」
「了解。今度からもそういうふうに答えるように」
藤原さんはそれだけで病室を出ていった。