光のもとでⅠ
「うん。七時からって言われているのだけど、今なら入れるし、出てきたら髪の毛乾かしてもらえるし……」
「いいわよ。じゃ、藤原さん呼んでくるわ」
 お母さんは病室を出ていき、蒼兄とふたりになる。
「大丈夫か?」
「……大丈夫だよ」
「ならいい」
 たぶん、きちんと納得してくれたのだと思う。
 すぐにお母さんと藤原さんが病室に入ってきて、お風呂の支度をしてくれた。
 点滴の防水処置を始めると、お母さんが不安そうに「大丈夫なんですか?」と訊いた。
「えぇ、意外と大丈夫なものなんですよ」
 二日に一度はルートの消毒をすることなどを話すと、いくらかは安心してもらえた。
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