光のもとでⅠ
ソファに腰掛け、リダイヤルからツカサの番号を呼び出す。
でも、いざ通話ボタンを押そうと思うと少し勇気がいった。
もともと電話は苦手なのだ。
家族以外の人にかけるのはさらに勇気がいる。
「がんばれ、私……」
えいっ、とボタンを押す。と、指先に少し痛みを感じた。
耳もとにはコール音が聞こえている。
相手が出るまでのこの時間が、緊張を強いられて苦手なのだ。
けれどもコール音は三回目で途切れる。
『翠?』
「ツカサ……?」
『俺の番号にかけてるんだから俺以外あり得ないだろ』
「そっか……そうだよね」
どこか間抜けな自分を認めつつ、携帯に出たときの「翠?」と言ったのは、私を確認したわけではなく、「何?」「どうかした?」の類義語だったんだろうな、と思ったり……。
でも、いざ通話ボタンを押そうと思うと少し勇気がいった。
もともと電話は苦手なのだ。
家族以外の人にかけるのはさらに勇気がいる。
「がんばれ、私……」
えいっ、とボタンを押す。と、指先に少し痛みを感じた。
耳もとにはコール音が聞こえている。
相手が出るまでのこの時間が、緊張を強いられて苦手なのだ。
けれどもコール音は三回目で途切れる。
『翠?』
「ツカサ……?」
『俺の番号にかけてるんだから俺以外あり得ないだろ』
「そっか……そうだよね」
どこか間抜けな自分を認めつつ、携帯に出たときの「翠?」と言ったのは、私を確認したわけではなく、「何?」「どうかした?」の類義語だったんだろうな、と思ったり……。