光のもとでⅠ
「今朝、ご飯に何が出たのかは覚えてるかしら?」
「……桃」
「ほかは?」
「……ごめんなさい。覚えてないのか思い出せないのか、ちょっとわからなくて……。これ、なんでしょう?」
 さっきから、頭の中に記憶の断片ばかりが浮遊していて少し気持ち悪い。
 それも、人に訊かれたり何かきっかけがないと気づかないようなものばかり。
「ちょっとした記憶喪失かしら?」
 藤原さんは首を傾げてそう言った。
 話によると、医学的には記憶喪失という言葉ではなく"健忘"というらしい。
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