光のもとでⅠ
 脳波の検査は去年もしたことがある。
 普通の一室に診察台があって、頭にたくさんの小さな吸盤を付けられるのだ。
 部屋を暗くされ、息を吸ったり吐いたり、検査技師さんの声に合わせて繰り返す。
 ほかには強い光が付いたり消えたりするのを何度も繰り返したり。
 前置きの説明が長くて準備にも時間がかかる検査。
 検査時間は十五分とか二十分くらいだったと思う。
 でも、終わったあとには吸盤をとる作業があるため、それ相応に時間がかかる。
 前の検査と同じように、検査室に入ると湊先生は外に出た。
 検査はやっぱり長い説明から始まる。
 私がクスリ、と笑うと「どうかした?」と検査技師さんに顔を覗き込まれた。
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