光のもとでⅠ
 自分の声などめったに録音するものではないし、こうやって聞くこともない。
 でも、たぶん私の声。
 私の声は、とても切羽詰まったもののように聞こえた。
『自分で何度も数えたの。でも、だめだった……。お願い、十、数えてください』
『何かあっ――』
『何も訊かないでっ。……お願い』
『……わかった』
 その人は"私"にお願いされたとおり、一から十の数を数えてくれた。
『……もっと聞きたい』
 "私"が言うと、
『スイ?』
 "スイ"って、私のこと……?
 そう思うのと同時、
『先輩……最後に一緒に数を数えてください』
『わかった』
 "先輩"とは誰のことなのだろう……。
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