光のもとでⅠ
 さらには送信済みのメールを見せられても同じような状況。
「どうも、この三人の情報だけが抜け落ちてるみたいね」
「……藤原さん、その三人は誰?」
 誰、というよりは、何、という感じだった。
「聞く? あなたにはストレスのもとだったかもしれない人たちよ?」
「……知らないほうが気持ち悪いです」
「藤宮司、彼は湊の弟。今朝、あなたが倒れた時に一緒にいた人。そして、この携帯に録音されている声の持ち主でもある。年は同じだけど、あなたの一学年先輩で生徒会が同じだそうよ。藤宮秋斗――彼はあなたのクラスメイト、海斗くんのお兄さん。顔は楓と瓜二つ。最後に蔵元。これは森(もり)じゃなくてシンと読むのよ。彼は秋斗くんの秘書であり、あなたの下のお兄さんの上司。上司と言うならば、秋斗くんも若槻くんの上司になるわ」
 わかりやすく淡々と教えてくれたこともあり、情報は的確に頭に入ってくる。
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