光のもとでⅠ
「……つ、ツカサ」
「……ありがと」
 藤宮司さんは花壇の端に座った。
 そして、俯いたまま、
「それから、大丈夫だからがんばれって言ってほしい」
「……え?」
「四日後、弓道のインハイなんだ」
「すごいっ! がんばって!」
「大丈夫が抜けた……」
 やり直し、と言わんばかりに指摘される。
「大丈夫だからがんばってっ!」
「……ありがとう」
 私にとって、この人はどんな存在っだったのだろう……。
 よくよく考えてみれば、面会時間じゃない朝に私の病室にいたということのほうがおかしいのだ。
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